横からの流れがある場合(左図では右から左)、ルアーは着水地点から足下まで、U字のような弧を描いて泳いできます。
着水後から、ルアーが左に流れていく間はルアーはあまり泳ぎません。
しかし、左図の☆印をつけた付近(U字の頂点)でルアーの向きが変わり、水流を受けるため強く動き出します。
この瞬間に、シーバスが食ってくるケースが非常に多いです。
これをU字効果と言います。
河川や流れがある運河などで有効なテクニックです。
U字の頂点に達するまでの動かない泳ぎと、U字の頂点に達してからの動く泳ぎのギャップを利用するものなので、流れが強いほど有効と言えます。
特にシャローランナーの使い方としては基本となるでしょう。
◇ 応用
U字効果は非常に有効なテクニックですが、いつも同じところにキャストし、同じようにリトリーブしててもそうそう釣れるものではありません。 まあ、移動が効かない回遊待ちのウェーディングではそうなりがちなので難しいのですが・・・(^^;
そのため、キャスト地点とリトリーブ速度、または立ち位置を変更し、色々な地点でU字を描いてみるといいです。 例えばアップクロスでキャストし、デッドスローで長時間あまり動かないルアーを見せた後にU字を描かせるとか、ちょうどブレイクの上や沈み根の手前でU字の頂点を描くとか、色々な応用が出来ます。
どの地点でU字を描いたとかは、シンキングプラグもしくは真っ暗な場所では目視できませんので、竿に伝わる感触とリールの巻き抵抗の変化で憶測します。 まあ、よっぽど変なタックルじゃなければ、慣れればだいたいわかるかと思います。
橋下明暗部など、夜間照明があって明暗が出来ている場合は、暗部にシーバスが潜んでいることがあります。
潮上から下って来るベイトを待ち構えていますので、橋下明暗部なら基本的には橋の潮上側に立ち位置を取った方がいいでしょう。
下の図は、夜間照明がある橋下に出来る明暗部の攻め方を、変な図にしてみたものです(笑)。
そこそこ流れがあって、先に説明したU字効果が使えること前提の図です。
ルアーを明暗の境の潮上側にキャストしリトリーブすると、(1)の地点で明部から暗部へと入ります。
シーバスが高活性の場合、明暗の境に入った瞬間、あるいは直後に食ってくることが多いです。
たまに明暗に入る直前で食ってくることもあります。
なお、照明の直下は特にバイトが出やすいので、気をつかった方がいいでしょう。
明暗の境でバイトが出ず、橋下の暗部の(2)の地点でU字の頂点を描いた場合、この地点でバイトが出ることも非常に多いです。
あまり活性が高くない場合は特に、この地点で一番出る可能性が高いので、気を張っておいた方がいいでしょう(^^;
U字効果でもバイトが出ず、橋下の暗部から明部にルアーが出てくる(3)の地点でバイトが出ることもあります。
ただし(1)(2)のケースと比較するとあまりバイトは多くないですが、最後まで気を抜かない方がいいです。
キャスト地点や立ち位置を変えつつ、明暗部に流し込む地点を変えていきます。
流れがほとんど無くて流し込むことが出来ない場合は、橋の下から明部にキャストして暗部に引いてきたり、キャスト後に竿先を暗部に持ってくるといいでしょう。
明暗部で反応が無ければ、最後は暗部にキャストして探ります。
なお、表層の場合は明暗の境は見たまんまですが、照明の位置によって水中では明暗の境は異なります。
シンキングプラグを使う場合は照明と橋影の角度を計算して通す必要があります。
橋脚がある橋の場合は、橋脚スレスレを通るようなリトリーブコースを取ったり、橋脚の手前でU字の頂点を描くといいです。
また、明暗の境のところでU字の頂点を描くのも有効です。
ブレイク(かけ上がり)を攻めるのには、シンキングプラグを使用すると効果的です。
ブレイクの先の深い地点にルアーを沈め、ブレイクに沿ってルアーを上昇させてきます。
もちろん、ブレイクを舐めるようにリトリーブできれば最高ですが、根掛かりに要注意です。
ただ巻きで食わない場合は、トゥイッチを入れながら上昇させてみるのもいいです。
潮位が高く、ハゼなどのシャローを好むベイトが豊富な場所であれば、ブレイクの上のシャロー帯でもシーバスが食ってくることが多いです。
特に夏後半〜秋シーズンは意識しておいた方がいいでしょう。
ブレイクが近い場合、ブレイクラインに対して斜めにキャストし、探っていくと大変効果的です。
ブレイクに対して垂直に探るより、ブレイクラインの上を通せる時間が長くなりますので、釣れる確率は高くなります。
ブレイクが近ければ近いほどいいですね。
ただし、非常に根掛かりしやすいので要注意です。
まずはブレイクラインに対して垂直に探り、水深を把握した上で行った方がいいでしょう。
川幅、または運河の幅が狭くて対岸のブレイク(かけ下がり)までルアーが届く場合、バイブレーションやディープダイバーを使用してシャローから深場に落ちていくベイトを演出することが出来ます。
場所が限られますがかなり有効なので、試してみることをおすすめします。
道路橋、または桟橋の橋脚のようなストラクチャーにはシーバスが着くことが多いです。
特に、デイゲームでは必須とも言える狙い所となります。
また、マヅメ時には非常に有効なポイントでもあります。
ただし、ナイトゲームではストラクチャーに居着かず回遊してしまうシーバスも多いです。
なのでナイトゲームではデイゲームほど重要性は高くないですが、先に解説した明暗部が絡む場所では夜でも居着く可能性が高いので、狙ってみる価値はあります。
ただし、ストラクチャーにルアーをぶつけてしまいやすいので要注意ですね(^^;
ストラクチャーは、できるだけタイトに攻めた方が釣れる確率は高くなります。
そのため、アキュラシー(キャストの正確性)の良いタックルは必須となります。
本当にギリギリを攻めたい場合や、ナイトゲームではどうしてもストラクチャーにぶつけてしまいがちなので、丈夫なミノー・シャッド(ビーフリーズ, マーゲイSWなど)、ぶつけても壊れにくいソリッドタイプのバイブレーション(マール・アミーゴIIなど)、スピンテールジグ(クルクルなど)を使用するといいでしょう。
水深があまり無い場所では、着水直後からリトリーブ開始してもいいですが、水深がある場所では少し沈めてからリトリーブした方が良いです。
私の場合、水深が3〜4m以上ある場所では1〜2mくらい沈めてからリトリーブすることが多いです。
ストラクチャー際ではフォール中に食ってくることも多いですので注意した方がいいでしょう。
基本的には、ストラクチャーは反応が無ければ数投で見切って移動してしまったほうが効率がよいです。
同じストラクチャーに延々とキャストしても釣れることはありません。
ただし、時間が経つとシーバスが入ってくる可能性はあるので、条件が良ければ長時間場を休めたり、別の場所を探った後にまた来てみたりする価値はあります。
ストラクチャーの狙い所としては、以下のようなものがあります。
(1)の流れが当たる側を攻める場合、直接ストラクチャーに打ち込むのもいいですが、ストラクチャーの向こうの上流側にキャストし、ストラクチャーの手前でU字を描くリトリーブをするのも効果的です。 特にナイトゲームの場合は、先に解説した明暗部の攻め方と組み合わせるとさらに良いでしょう。(1)ストラクチャーに流れが当たる側(2)ストラクチャーに流れが当たる側の裏側で、ヨレができている付近(3)太陽や照明の反対側で、影になっている付近
かなりのアングラーに見過ごされがちなのが、岸際です。
大半のアングラーは岸と垂直に沖に向かって投げてるだけですが、実は足下にシーバス居たのに・・・(^^;
岸際はカニなどのベイトが豊富で、かつベイトフィッシュを追い込むことができるのでシーバスが着くことも多いです。
水深のある場所であればデイゲームでも釣りが成り立ちます。
三河湾エリアに関してはほとんどがシャローですが、夜であれば、条件が良ければ水深30cmもあればシーバスは入ってきます。
デイゲームであれば太陽の影側になる場所、ナイトゲームでかつ照明がある場合は、照明と岸で影ができている場所が良いです。
特に夜間照明の場合は明暗部パターンも成り立ちますので、照明直下の岸壁でむやみにウロウロしないようにしたいです。
また、沈みテトラや大きな捨て石、水中投棄物、流れ込み・流れ出しなど岸際に大きな変化がある場合は特にシーバスが居着きやすくなりますので、重点的に探った方がいいでしょう。
使用ルアーは水深に応じて替えます。
水深のある場所のデイゲームではシンキングミノー、バイブレーション、スピンテールジグなど、水深のない場所ではフローティングミノー、シャローランナーなどを使い分けます。
沈みテトラなどがあり潜らせたくない場合はトップウォータープラグも有効です。
基本的にはダウンストリームの方が攻めやすいですが、アップストリームで攻めざるをえない場合はルアーが動きませんので、トゥイッチやジャークで意図的にアクションをつけるといいでしょう。