初めてのシーバスロッド選び

☆ チェックポイント


○ 激安ロッドは避けたいところだけど・・・

 マダカ(シーバス)釣りを始めるにあたって、用意しなければならないもので最重要となるのが、ロッドとリールですね。これがないと釣りが出来ませんので(^^;

 まずマダカ釣りには、基本的にはシーバスロッドというジャンルの竿を使用します。 長さは6フィートくらいから、最長で15フィートのものまであります。

 ちなみに「1フィート = 30.48cm」なので、6フィートは180cmちょっとになります。 また、「1フィート = 12インチ」です。いわゆるハチハン、8フィート6インチ(8'6"と表記します)は、(30.48 * 8) + (2.54 * 6) = 259.08cmとなります。

 最近は大手釣り具量販店に行くと、竿とリールがセットで3,000円くらいの、激安シーバスセットなんかも売ってます。 しかし、正直これはまったくおすすめできませんね・・・。 このクラスになると竿はヘニャヘニャでルアーは飛ばないし、リールはすぐ壊れます(泣)。 「安物買いの銭失い」にならないためにも、このクラスは避けた方が無難です。

 しかし、「リール竿での釣りはやったことがない」という人であれば、このクラスから入門するのもアリかと思います。 折れてもショックが小さいですし(^^;


○ できれば、SiCガイドの竿を!

 もう少し価格帯が上、5,000〜8,000円クラスの竿となってくると、大手メーカー(ダイワ, シマノ等)の製品も選択肢に入ってきます。 このあたりの竿であれば、造りもしっかりしているので安心して使えるでしょう。

 しかしこのクラスの竿は、ラインガイドにハードガイドという廉価なガイドが使用されています。 アルミナオキサイド製のリング(ハードリング)が使用されているハードガイドは、ナイロンラインを使用する分には支障ありませんが、PEラインを使用するには難があります。 具体的には、摩擦抵抗が大きいためPEラインが弱りやすい、またはPEラインの使用でハードリングが削れてしまうなどといった問題が発生する可能性があります。

 ネットでは「ハードガイドでPEライン使っても問題ないよ!」という意見も散見されますが、実際にハードガイドでPEライン使用した経験がある私が言います。 絶対やめた方がいいです(笑)。 たった2ヶ月ほど(使用回数10回程度)の使用で、PEラインがボロボロになってしまい使い物にならなくなりました。 (もっとも、この間に20尾以上のナマズを釣り上げたせいもあるんでしょうけど・・・)

 本当に釣りの初心者でしたら最初はナイロンラインで釣りに慣れた方がよいですが、将来的にPEラインを使用することを考慮して、SiCガイド(エス・アイ・シーと読みます)が使用されている竿を購入されることをおすすめします。 シリコンカーバイド製のリング(SiCリング)は糸滑りが非常に良く、PEラインの使用に適しています。もちろん、ナイロンラインの滑りも非常に良いため、ルアーの飛距離も向上します。

 もしハードガイドの竿でPEラインをどうしても使用したい場合は、ラインへの負荷が最も掛かる、トップガイドだけSiCガイドにしてしまうという手もあります。 これなら、1,000円以下の出費でおさまります。 しかしPEラインをこれからメインで使っていこうと思う場合は、オールSiCガイドの竿に買い換えることをおすすめします。


○ 長さはどうする?

 シーバスロッドのレングス(長さ)ですが、これは釣りに行く場所によって適した長さが変わってきます。

 まず港湾部や小河川ですが、これは7'6"〜9'0"程度のものが広く使われています。 港湾部などでは飛距離よりもアキュラシー、つまりルアーを狙った地点に確実に打ち込むことができるキャストの正確性が重要になってきます。 正確なキャストを行うためには短い竿の方が向いています。 そのため、場所によっては6フィートクラスのが使いやすい場合もあります。 また、背後や左右、頭上に障害物がある場合なんかも、短い竿の方が扱いやすいですね。

 次に中規模河川、大河川などの大場所ですが、この場合は飛距離も重要となってきます。 飛距離を出すには竿が長い方が有利となりますので、一般的には8'6"〜10'0"程度の竿が広く使われているようです。 ただし、ウェーディングなどでキャストしたい地点にまで近寄れる場合は、もっと短い竿を使用しても問題ありません。

 この他には、サーフ(砂浜)でルアーを大遠投する場合は9'0"〜11'0"、磯で障害物をかわせる長さが欲しい場合は10'6"〜12'6"なんかが使われたりしています。

 んで、結局「最初の一本」としてはどの長さがいいのか?となりますが、港湾部メインなら7'6"〜9'0"、河川メインなら8'6"〜9'6"あたりが使いやすいと思います。


○ 竿の硬さは?

 シーバスロッドは、竿の硬さの表記があるものがあります。

 例えば、ウルトラライト(UL)、ライト(L)、ミディアムライト(ML)、ミディアム(M)、ミディアムヘビー(MH)・・・のように、竿の硬さで品番にMLなどの記号が振られています。 例えば、ダイワのシーバスロッド「ラテオ」の90MLは、9フィート0インチのミディアムライトアクションであるとわかります。 ちなみにLLは、ウルトラライトとライトの中間に当たる硬さになります。

 しかしこの硬さの表記は困ったことに各メーカーで基準がバラバラなので、実際のところはロッドのカタログに記載してある「ルアー重量」を基準に竿を選んだ方がよいでしょう。 例えばベイトフィッシュが小さい、またはバチ抜けシーズンで小さく軽いルアーを使いたい場合は、5g程度のルアーを投げられる竿、大場所でバイブレーションを遠投したい、または深場に重いルアーを早く沈めたい場合は、21g以上のルアーを投げられる竿を選択すると良いでしょう。

 では「最初の一本」として妥当な硬さはというと、港湾部・小河川メインであれば5〜21g程度のルアーをキャストできるもの、大河川メインであれば10〜28g程度のルアーをキャストできるものが妥当かと思います。


○ 竿のテーパーアクション

 竿には負荷を掛けたときの曲がり方によって、テーパーアクション(調子)というものがあります。

 竿の調子による一般的な性格は上記のようになりますが、竿によってはファストテーパーなのにアキュラシー性能が悪かったり、スローテーパーでもアキュラシー性能が良い竿もありますのでこれが絶対ではありません(^^;

 最近は竿の調子を明記していないメーカーが多いので、これは実際に店頭で竿を持って調べるのが一番でしょう。 よく天井に竿を押し当てたり、角に竿先を押しつけて竿の調子を見てたりするお客が居ますが、折れちゃっても知らないですよ(笑)。 右手で手元に近い方を持ち、左手で先端に向かって押し当てつつなぞりながら、竿の曲がり具合を調べる方法が良いと思います。 もしリールとラインをセットした状態で調べさせてくれるお店があるのなら、それがベストでしょう。

 では「最初の一本」としてはどのテーパーアクションが良いかというと・・・実は選択肢がほとんどないのが実情です(泣)。 店頭に並ぶシーバスロッドの8割以上が「レギュラー」または「レギュラーファスト」アクションで、極端な先調子、胴調子の竿は極めて少ない状態です。 まあ、最初は比較的万能なレギュラーファストアクションのものでいいでしょう。 初心者のうちから細かいところにこだわる必要はないので、まあ参考までに(^^;


○ その他のチェック項目

 最近のルアーロッドにはKガイドというガイドが採用されているものが多いです。 Kガイドが採用されている竿はガイド絡みが発生しにくいので、おすすめです。 比較的安いシーバスロッドは造り込み・チェックが甘いためかラインのガイド絡みが発生しやすいですが、 Kガイドは竿の造り込みの悪さによるガイド絡みも解消してしまう強みがあります(^^;

 初心者の頃は、色々なトラブルによって竿が折れてしまうことがあるかもしれません。 竿が折れてしまった場合、メーカーから折れた部分のパーツを取り寄せなければならないのですが、これがまた高いんです。 2ピースのロッドの場合、竿の定価の半額程度が目安になります。 例えば定価30,000円の竿の場合、15,000円前後です。 もしこれが、50%OFFで買った竿だったら・・・新品で買ったときと同じくらいの出費になってしまいます(^^;

 定価が20,000円を超えるような竿になってくると、保証書がついてくるものが多いです。 これはもし竿が折れてしまった場合でも、保証書に記載されている期間(だいたい1年)であれば、保証書記載の免責金額にて竿の修理が出来ます。 中古のロッドはまずこの保証書がない、または保証期間過ぎてるものがほとんどなのでおすすめできませんね。

 その他のチェック項目としては、ガイドフレーム素材がチタンかステンレスか、グリップの長さ、リールシートの形状はどうか・・・などがありますが、初心者向きでは無いので割愛します(^^;


○ では、具体的なおすすめロッドは?

 具体的な商品名をご紹介したいところですが・・・私の使っているシーバスロッドのほとんどはもう廃盤だし(笑)、釣具屋やってるわけでもないので正確なご案内は出来ません(^^;

 なので、カタログスペックと販売価格から、お手頃なものを紹介していきたいと思います。 ただし、実際に購入されて「これ、使えねー!」とかいうことになっても、とうぜん一切責任は取りませんので、実際に店頭でチェックしてから購入されることをおすすめします。

クロステージ シーバス-Kシリーズ(メジャークラフト)


 SiCガイド、Kガイド採用のシーバスロッドの中では最廉価クラスです。 私はこのメーカーの竿にあまりいい思い出は無いのでおすすめはしないのですが(笑)、竿の造り込みは悪くても、ブランク(竿の素材)はわりと良いものを使ってることが多いので、最初の一本としては妥当なところかと思います。 何しろ、販売価格が10,000円切ることもありますからね・・・

ラテオ(ダイワ)


 スズキの学名、「ラテオラブラックス」の一部を安直に竿の名前にした製品(笑)。 現行品はたぶん三代目です。 ちなみにラブラックス・Fというワンランク上の製品もあります。軽量だし、安心のダイワブランドだしなかなかいいんじゃないでしょうか?ちょっと高いけど・・・

ディアルーナ XR(シマノ)

※【シマノ】DIALUNA(ディアルーナ)XR S806L

※【シマノ】DIALUNA(ディアルーナ)XR S806L
価格:18,252円(税込、送料別)


 ダイワと並ぶメーカー、シマノのシーバスロッド。 見た目は高級ロッドと比較しても遜色ないものとなっています(笑)。 私はこれのボート用のディアルーナBSを持っていますが、まあまあ良いです。 メイドインチャイナが嫌な人にはおすすめしませんが(^^;

ラグゼ・ソルテージチータRR(がまかつ)


 釣り鈎で有名なメーカー、がまかつのルアーロッドです。 私はこれの2代前にあたる「チータ76ML」を所有していますが、非常にいい竿です。 アキュラシー性能がクソなことを除けば(笑)。 現行品はどうなのでしょうか?



 まあ、色々と紹介しましたが、最初の一本は、だいたい10,000〜20,000円くらいの竿から始めてみるのが良いかと思われます。 40,000円以上の竿となってくると色々とクセがあるため、初心者向きではありません。 安い竿をしばらく使ってみて、「もっとアキュラシー性能が良い竿が欲しいな・・・」とか、「飛距離がもっと欲しい!」とか思ったときに新たに買い足すのが一番良いと思います。


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