ルアーの基礎知識その他

○ ルアーの動き

◇ ウォブリング

 ルアーを上から(または下から)見て、左右に振れる動きをウォブリングと呼びます。 リップの位置や重心の位置で、動きの支点は異なります。

 非常にアピール力が高いため、特にスレていない高活性な魚に非常に有効な動きです。

 代表的なウォブリングルアーとしては、ラパラの「カウントダウン」、エフテックの「エスフォー」などがあります。

◇ ローリング

 ルアーを前から(または後ろから)見て、左右に振れる動きをローリングと呼びます。 リップの位置や重心の位置で、動きの支点は異なります。

 魚に対するアピール力は小さいですが、スレた魚や堤活性の魚にも有効な動きです。

 代表的なローリングルアーとしては、ジャクソンの「アスリートミノー」、邪道の「スーサン」などがあります。

 このウォブリングとローリングを両方合わせた動きを、ウォブンロールと呼びます。 シーバス用ルアーでは完全ウォブリングのルアーは少なく、ウォブンロールまたはローリングアクションのものが多いです。

 各レンジに合わせて、アクションが大きいルアーとアクションの小さいルアーの2種類を用意しておきたいところです。 例えば水深50〜100cmのレンジには、アクションの大きいCD-7と、アクションの小さいアスリート7Sの2種類を用意しておく、とか。


○ ルアーの重心

◇ 前方重心

 ルアー内部のウェイト(オモリ)が前方に配置され、前方に重心があるルアーは、立ち上がり(泳ぎ出し)が良く、またよく動く(特にウォブリングさせやすい)という特性があります。 前傾姿勢になるため、ルアーは潜りやすくなります。

 デメリットとしては、キャストの際に飛行姿勢が安定せず、飛距離が落ちてしまうということがあります。

 代表的な前方重心ルアーとしては、ラパラの「カウントダウン」があります。

◇ 後方重心

 ルアー内部のウェイトが後方に配置され、後方に重心があるルアーは、飛行姿勢が安定し飛距離に優れるといった特性があります。 後傾姿勢になるため、ルアーは浮き上がりやすくなります。

 デメリットは前方重心ルアーの逆で、泳ぎ出しが悪く、アクションも小さくなってしまいます。

 自らアクションするのではなく、ロッドアクションまたはリーリングの強弱でアクションさせる、トップウォータープラグに後方重心のものが多いです。 また、シンキングペンシルにも後方重心のものが一部あります。

 ジャクソンの「アスリート」(S)などの固定重心ルアーでは、中央付近に重心があるものが多いです。 これは前方重心・後方重心のルアーの特性の中間を持ち合わせることになります。

 現在主流となっているのは、重心移動方式のルアーです。 キャスト時にはウェイトが後方、リトリーブ時には前方に重心が移動するため、飛距離に優れかつアクションが大きいというメリットがあります。 反面、重心を前方に移動させにくい、ウェイトがカラカラと音を発してしまうなどの問題もあります。


○ リップの大きさ(表面積)

 全く同じ形状・重量でリップの角度も一緒だけど、リップの大きさだけ違う2つのミノーが存在したと仮定します。

 この場合、リップの大きさ、というより水を受ける表面積が大きいもの(写真左)ほど、良く動くことになります。 また水掴みが良いため、よく潜ります。

 反面、引き抵抗が大きくなり、また水を激しくかき回すため夜光虫も発光しやすくなります。



○ リップの角度

 全く同じ形状・重量でリップの表面積も一緒だけど、リップの角度だけ違う2つのミノーが存在したと仮定します。

 この場合、リップの角度が浅いもの(写真上)ほど深く潜ります。



○ ルアーの素材

◇ 樹脂(中空)

 シーバスルアーに限らず、ルアーはプラスチック製で内部が中空になっているルアーがほとんどです。

 軽量なので比較的動きが大きくなり、また重心移動構造を安易に組み込めるなどの利点があり、広く普及しています。

 欠点としては衝撃に弱く、ストラクチャーにぶつけてしまったりすると樹脂が割れて浸水し、内部のウェイトが錆びたりして使い物にならなくなってしまいます。

◇ 樹脂(ソリッド)

 中空ではなく、中身の詰まった樹脂のかたまり(ソリッド)であるルアーもあります。

 樹脂のかたまりであるためストラクチャーにぶつけてしまったりしても少々のことでは壊れません。 また高比重なので飛距離も出やすく、沈む速度も速いです。

 欠点としては高比重であるためルアーの動きが小さくなることでしょう。 製品としてはマリアオフィスの「マール・アミーゴ」、シリコン製であるマドネスの「シリテンバイブ」などがあります。

◇ 木材(バルサ, ウッド)

 木材でできたルアーも数少ないですが市販されています。 市販品ではバルサ製の、ラパラの「カウントダウン」などがあります。 また個人レベルのルアービルダーのハンドメイド作品はバルサ、ウッド製のものがほとんどです。

 木材は軽量であるため、ルアーの動きは樹脂製プラグより良くなります。 特にバルサは極めて軽量なので動きが非常に大きくなり、激しくアクションします。 バルサではない木材(アガチス, ヒノキ等)はウッドと呼ばれますが、バルサだけは別のものとして呼ばれることが多いようです。

 欠点としてはラパラの量産品を除くと極めて高価であり、気軽に購入できるものではないことです。 また、重心移動構造を組み込むのが難しいため、固定重心のものが大半となっています。



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