初めてのシーバスリール選び

☆ チェックポイント


○ 高級リールは不要です!

 ロッドを購入したら次はリールですが、ここではスピニングリールに限って記述させていただきます。

 シーバスプロの使用タックルなんかを見ると、いいリール使ってますよね。 ステラやらイグジストやら・・・。 あれ見ると「シーバス釣りには、いいリールが必要なんじゃ?」と思ってしまうかもしれませんが、そんなこと全然ないです(笑)。 それにあの方々は、メーカーから高級リールをタダで供給されてる人も居るわけですから・・・(^^;

 ただ、やはり高級リールは廉価なリールと比較すると、巻き心地は格段に違います。 お金に余裕があれば買っても良いですが、釣果にはあまり影響しません(笑)

 だからといって、ノーブランドの激安リールはやめた方がいいですね。 すぐに壊れるし、ライントラブルも多いです。 入手性がよくアフターサービスも良い日本メーカー、特にダイワかシマノのリールをおすすめします。


○ ダイワとシマノ、どっちがいいのよ?

 ではダイワとシマノ、どっちがいいのかという話になってきますが、どっちでもいいです(笑)。 どちらもしっかりした造りになってますし、両方使用している私が保証します(^^;

 細かいところで比較してみると、摺動(スプールを前後させる動き)方式にダイワはS字カム、シマノはアルテグラ以上の機種にクロスギア(エアロラップ, ウォームシャフト)という方式を使用しています。

 S字カムは巻き抵抗が非常に小さい軽快(悪く言えばスカスカ)な巻き心地が特長で、また部品点数も少なく済むため低コストで、ダイワ以外のリールメーカーも同じような方式を採用しているところが多いです。 シマノもナスキー以下の機種で採用しています。 巻き取り感度が非常に良いため、水流の変化やシーバスの反転などの小さな反応も拾える利点があります。 欠点としては、スプールの上下動の死点付近でカム方式特有の巻き抵抗が発生するため、超デッドスローなんかをすると鬱陶しく感じます。 また、巻き取りもクロスギア方式と比べると若干パワーが弱いようです。

 クロスギアはS字カムと比較すると巻き取りにやや抵抗感があり、ぬたーっとした感じです。 部品点数が非常に多く高コストになるため、シマノもアルテグラ以上の機種、ダイワはレバーブレーキリールや投げ専用リールの一部にしか採用していないようです。 しかしカム方式と比較して上下死点での巻き抵抗の変化が小さく、またカム方式より若干パワーがあります。

 とはいえどっちを選んでも大差はないので、好みで選べばいいと思います。 そもそも、そのようなこと知らないで使っている人が大半でしょう。知らなくてもいいことだし(笑)。 あとはマグシールドであったり、AR-Cスプールなどの付加価値にどれだけ心惹かれるか・・・ですね。


○ とはいえ、ローターブレーキは必須

 スピニングリールは、キャストした際にハンドルが回転してしまうことによりローターが回ってしまい、ベールが勝手に返ってしまうという現象が発生することがあります。

 これを抑制するのがローターブレーキ、シマノではフリクションベールシステムと呼ばれる機構です。 ベールをオープンした際にローターの動きに抵抗が掛かるため、ベール返りを防ぐことが出来ます。 この機構は、ダイワはレガリス、シマノはサハラ以上の機種に採用されています。ベール返りは、貴重なルアーだけ飛んで行ってしまうなど非常に困るトラブルなので、できればローターブレーキ(フリクションベール)を採用している機種を選択することをおすすめします。

 ちなみにローターブレーキがなかった昔は、キャスト時にハンドルを最後方(手前)に位置してからキャストすることで、ベール返りを抑制していました。 私はその時代のクセがついてしまっているので、シングルハンドルのリールでは必ずハンドル手前に持ってきますね(^^;


○ 適切なサイズは?

 リールには色々なサイズがあります。例えば2000番、2500番とサイズによって番号が振られています。 番号の基準は巻き糸量ですが、ダイワとシマノで基準が異なるので困りますね(笑)

 リールが大きいほど巻き糸量が増え、また巻き取りのパワー、1回転あたりの巻き取り長も大きくなります。 また、スプール径が大きいほど飛距離も出ます。 しかし大きくなれば当然リールも重くなってしまうので、このあたりの兼ね合いをどうするか、ですね。

 とりあえず、8'6"以下のロッドの場合はダイワ2500番台、シマノ2500〜C3000番台、9'0"以上のロッドの場合はダイワ3000番台、シマノ4000番台といったあたりがマッチしてくると思います。 もちろん8'6"で4000番使ってもいいですし、9'6"で2500番使っても問題ないです。 飛距離を重視するか、軽さを重視するかで選ぶと良いですね。

 価格は高くなりますが、ダイワのザイオン、シマノのCI4といった樹脂素材が使用されているリールは非常に軽いので、ワンランク上のサイズを選択することも出来ます。 また非常に高いのですが、マグネシウム素材が使用されているリールも非常に軽いです。


○ 最初は、ハイギアは避けた方が無難

 スピニングリールには、高速リトリーブに向いた「ハイギア仕様」のものがあります。型番にHGがついたりしてます。

 ハイギア仕様は高速リトリーブには大変便利なのですが、反面、デッドスローが非常にやりにくくなってしまいます。 バチ抜けシーズンなど、デッドスローが多用されるシーバスフィッシングにおいてはハイギアは不利になってしまいますので、一番最初はノーマルギアのものを選択した方がよいですね。 まあ、最初からジギング船に乗るんだったらハイギアでいいんですが・・・(^^;


○ 極端なシャロースプールも避けたい

 最近のスピニングリールはシャロースプール(浅溝スプール)仕様のものが増えています。 これはPEライン全盛のこの時代に則したもので、下巻きが少なくて済む、または全く不要であり、スプールを軽量化できるという長所があります。

 しかし極端な浅溝スプールは考え物です。 例えばシマノC3000Sスプールの場合、PE1号が110m巻けるということになっています。 しかし実際は、PEラインのメーカーによって太さが全然違うので、メーカーによっては0.8号が100m強しか巻けませんでした。おそらく1号なら75mくらいしか巻けないでしょう・・・

 もっとも港湾部の釣りなんかでは75mもルアーを飛ばすことは滅多に無いですし、河川でも100m巻いていれば十分です。 しかし、PEラインは使用を重ねると先端付近からどんどん劣化していくので、その分を切り取って下巻きするなどして、長さはだんだん詰められていきます。 そうなるともともとの巻き糸量が75mではかなり心許ないですね。 港湾部でも50m以上飛ばすことはわりとありますから・・・

 また初心者のうちはあまり細いPEラインも避けた方が無難です。 なので最初は最低でも、PE1.5号を150m以上巻けるスプールのリールを選択したいですね。


○ スピニングリールは左手巻きで

 スピニングリールは、左右どちらにでもハンドルを付け替えることが出来るものがほとんどです。 出荷時に右ハンドルとなっているものも多いですね。 エサ釣りでは、キャスト時は右手、リーリング時に左手に竿を持ち替えて釣りをしてる人が多いです。 (ただしエサ釣りの場合、利き手でダンゴを投げたり撒き餌杓を使用するため、あえて右巻きにしてる人もいます)

 しかし頻繁にキャストすることが多いルアーフィッシングにおいては、常に右手で竿を持ち、左手でリールを巻き取ることをおすすめします。 ルアー着水後すぐに、リーリングに移行できるのは非常に大きいです。 また大物とファイトする場合は、利き手で竿を持った方が扱いやすいですしね。 例えば、のべ竿(非リール竿)で釣りをする場合、皆様はどちらの手で竿を持つでしょうか?当然利き手ですよね。

 あ、左利きの人は左右逆転して読み替えて下さい(笑)。 また、ベイトキャスティングリールにおいては必ずしも左巻きが良いとも限りません。(説明は割愛します)


○ 替えスプールのススメ

 PEラインを使用していると、予期せぬライントラブルが発生することがあります。 PEラインがぐちゃぐちゃになって飛び出してきた!とか、根掛かりでFGノットから切れてしまった、橋脚に擦れてPEラインがボロボロになってしまった、などなど・・・

 そういった時にラインの絡みをほどいたり、FGノットを暗闇で組んだりするのは非常に時間のロスが大きいです。 実際、私もキャストが下手だった頃に、時合い到来時にPEラインがクラッシュ!必死で絡みをほどいていたら時合い終了・・・なんてことが何度かありました(泣)

 そんな時のため、ラインを巻いた替えスプールを用意しておいて、即座に釣りに復帰できるようにしておいた方が良いです。 替えスプールは釣具店でメーカーから取り寄せできます。 ダイワのパーツ検索システム、シマノのパーツ価格表で価格を調べることが出来ます。

 価格を見ていただくとわかると思いますが、リールの本体価格に比例して、スプールの価格も高くなってますね。 私が高級機種をおすすめしない理由もここにあります(笑)。 まあ、お金がふんだんにある人はいいでしょうけど・・・(^^;

 しかし高級リールと中級リールの間にスプールの互換性がある機種も多いので、見た目を気にしなければ高級リールに中級リールの替えスプール、といったこともできます。 やったことない(持ってない)ので確実に出来るかどうかは知りませんが、イグジストにフリームスのスプールを装着、とか(^^;


○ その他のチェックポイント

 私はダイワのマグシールド機種は持ってないので言及できませんが、なかなか良さそうですね。 ただ、分解不可?なので、リールは自分でメンテしたい私はたぶん買わないと思います(^^;

 シマノのAR-Cスプールは、これは本当に良いです。 AR-Cスプールにしてからライントラブルが激減しました。 PEラインのトラブルに悩まされている方にはおすすめです。

 ただこのAR-Cスプールですが、スプールリング(スプールエッジ)がチタン、またはチタンコートステンレスではないスプールは、非常に傷つきやすいです。 なので絶対に護岸にリールを置いたりしない(ハンドル側からならOK)、必ずリールは袋に入れて運ぶなど細心の注意を払う必要があります。 ちなみにバイオマスター、ツインパワーはチタンコートみたいですが、中間価格のレアニウムはそうでなかったり・・・(汗)


○ では、具体的なリール名は?

 カタログスペックと販売価格から、お手頃なものを紹介していきたいと思います。 ただし、実際に購入されて「これ、使えねー!」とかいうことになっても、とうぜん一切責任は取りませんので、実際に店頭でチェックしてから購入されることをおすすめします。

12レガリス(ダイワ)

【ダイワ】2012 レガリス 2500

【ダイワ】2012 レガリス 2500
価格:7,581円(税込、送料別)


 ダイワの廉価モデルの中の最上級機種です(笑)。この価格帯でローターブレーキ採用は素晴らしいですね!

14サハラ(シマノ)

【シマノ】2014 サハラ[SAHARA]C3000

【シマノ】2014 サハラ[SAHARA]C3000
価格:5,896円(税込、送料別)


 シマノの廉価モデルの中でも安い方で、クロスギアではなくカム方式ですが、この価格帯でフリクションベール採用とは驚きです。 ただ、2014/05時点でサハラの前モデルである11エルフもまだカタログ落ちしていませんので、クロスギア好きでしたらエルフの方をおすすめします(^^;

14カルディア(ダイワ)

【ダイワ】2014 カルディア 2500

【ダイワ】2014 カルディア 2500
価格:16,848円(税込、送料別)


 ダイワの中級機種の代表的モデル。この価格帯でマグシールドなのは魅力的でしょう。私はKIXでひどい目にあったので買いませんがね(^^;

12レアニウムCI4+(シマノ)

※【シマノ】2012 レアニウム CI4+ C3000

※【シマノ】2012 レアニウム CI4+ C3000
価格:21,762円(税込、送料別)


 超軽量なシマノのスピニングリール。私は09モデルを所有していますが、それよりもさらに軽くなってます。09モデルはギアゴロがひどかったですが(笑)、今のはどうなのでしょうか?



 細かくなってしまいましたが、まあローターブレーキ(フリクションベール)付きの機種ならまず問題ないです。 初心者のうちはボールベアリングの数とかで選んでしまいがちですが、リールを分解メンテナンスできるようになれば、自分でBB増やしたりも出来ますので・・・(^^;


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